父親たちの星条旗 -Flags of our Fathers-


「目の前にマシンガンを所持した殺人者がいます。彼は狂い、殺さなければ殺されると考えています。上官は言いました。『何としてでも奴を殺せ。だが近づかなければ弾も当たらない。一斉に全員が特攻し、死なずにたどり着けた者が奴を殺すんだ。引き返してくるような軟弱な者は俺が撃ち殺す。』私たちは死の恐怖に怯えながら特攻しました。そのほとんどは無惨にも撃ち殺され、運良く弾に当たらなかった私がなんとか殺人者を殺すことに成功しました。
しかし喜びなどありません。つい先程まで一緒にいた同志たちは皆、横で冷たくなっているのです。それだけじゃない。私は人間まで殺めてしまったのです。私は頭がおかしくなりそうでした。しかし無情にも上官は言います。『よくやった。次はあそこだ。』これをまた、何度となく繰り返すことになるのを、私はそのとき悟りました。」


それが戦争だということを、痛いほど認識させられた作品でした。