何故・・・

僕と同じような境遇に進んでいる友だちのことを、母親を通じて聞かされることがよくある。今日も一人、友だちの名前をきかされた。親友だった。思わず頭が真っ白になった。まさかあの親友が同じ道に入ってくるなんて思いもしなかった。これからはお互い、別の道を歩くことになると思っていた。


彼とは家がすごい近くて、小学校のときなんてたとえ夕焼けの眩しい時間に学校が終わっても、まだ一時間、まだ30分あるといって遊んでいた。夏休みになれば毎日一緒にぶらぶらと外に出かけた。学校に行くのも帰るのも遊ぶのも、いつだって一緒。特に用も無いのに、毎日インターホンを鳴らして遊びに来る。でもそれが当たり前な日常だったし、一緒にいる時間がとても楽しかった。


友だちっていうと、中学校にもなれば、学校でしか遊ばない人もそう表現をしたりする。でも彼とは本当に毎日一緒にいた。同じ時間を過ごした。僕一人で歩いていれば、彼はどうしたのと、きかれるぐらいの仲良しだった。だからこそ彼が今、不登校になっていることは信じられないし、信じたくもない。どうしてこうなってしまったんだよ。赤信号みんなで渡れば怖くない、って?こんなつらい境遇に進むのは自分ひとりで十分なんだよ。友だちは学校で楽しくやってる、それでいいんじゃないか。どうしろっていうんだよ・・・。